Autumn Festival in Kitahara Shrine
播州北原(ばんしゅうきたばら)の秋祭
お知らせ:永年、北原の獅子舞を御指導いただきました浜川初男氏が
1月にお亡くなりになりました。20世紀最後の昨年の祭りにも
元気にご参加いただいた姿が目に焼き付いています。本当に長い間
ありがとうございました。ーー北原青年団、北原獅子舞保存会ーー
お盆過ぎ、日中の猛暑と宵の秋風が同居し、まだ青いたんぼの稲穂が
風にそよぐ頃、播州地方の村々では、秋の収穫に感謝する祭りの準備が
始まる。獅子舞の稽古ややっさの太鼓打ちの練習、祭装束の
準備など夜ふけまで各村の公民館には人々が集い、祭準備に余念がない。
本ホームページでは、兵庫県姫路市北原(旧播磨国飾東郡北原村)の
秋祭の様子を紹介しよう。
北原の神々とお社
お祭りの日程
お祭り
屋台のあった頃
村芝居の行われていた頃
獅子舞の村外での公演
記念誌、広報誌などへの掲載
北原のやっさ大工
播州の獅子舞に関するリンク集
- 北原の神々とお社
北原地区(旧播磨国飾東郡北原村)の
氏神様は字宮西に鎮座する北原八幡神社(きたはらはちまんじんじゃ)
であり、その祭神は應神天皇である。
「飾磨郡誌」によれば、北原地区はかって松原八幡神社の氏子で
あったということで、松原八幡神社の祭神の一人である
應神天皇が祭られている。
おんみゃさん(北原八幡神社)
すみよっさん(住吉神社)
おとっさん(おおとっさん)(大歳神社)
また、村内には八幡神社のすぐ東隣に**を祭神とする住吉神社、西方の大歳山に
猿田彦命を祭神とする大歳神社が
祭られており、獅子は大歳神社にも奉納される。
- お祭りの日程
播州のほとんどの村々がそうであるように、祭りは2日間にわたって
行われる。ー日目の10月14日を宵宮(よみや、よいみや)、
二日目の10月15日を本宮または昼宮と呼ぶ。獅子の口開きから慰労会まで
のほぼ二ヶ月にわたって諸行事が行われる。
- 9月初旬:獅子口開き(稽古初め)
- 9月下旬:中見舞い
- 10月上旬:チョウチン立て(宮上、宮下、大歳、川端にチョウチンを立て、お宮の境内にもチョウチンをあげる。また、太鼓を境内に出す。)
宮上のチョウチン立て
宮下のチョウチン立て
大歳前のチョウチン立て
川端のチョウチン立て
拝殿前のチョウチン
拝殿にだされた大太鼓と泥台
- 10月13日:稽古上げ、大鳴らし(屋台があった時代の名残)
- 10月14日:宵宮(神事)
- 10月15日:本宮
- 10月16日:お釜払い
- 10月下旬:慰労会
- お祭り
青年団により獅子舞が奉納されている。
10月14日の宵宮には、午後7時30分より、八幡神社および大歳神社において
舞いが奉納される。また、15日の本宮には、午後7時30分より八幡神社、
自治会長宅および獅子宿において舞いが奉納される。
舞の種類としては6つ伝えられており、
幣之舞、三番そう、扇之舞、鈴之舞、早変わり、地之舞の順に奉納される。
幣之舞
三番そう
地之舞
地之舞(舞の最終場面で御幣を睨む獅子)
前夜の公民館(獅子と青年会の大幕)
舞台(5枚の筵を縫いあわせてつくられる。)
幣之舞、三番そう、扇之舞、鈴之舞の4つは立った姿勢で舞うので、
”たてりじし(立てり獅子)”と呼ばれ、両手に紙幣、御幣、鈴、扇など
を持って舞う。早変わりと地之舞は獅子頭を持った前獅子と獅子の胴体となる
後ろ獅子との2人で舞う。早変わりは白足袋をはいた舞い手と黒足袋をはいた
舞い手が前獅子と後ろ獅子をすばやく交互に入れ替わる舞いである。
地之舞はもっともダイナミックな技の多い舞いで、”おい返り(おいがえり)”、
”車返り(くるまがえり)”、”さっちょこ(逆立ち)”などの見せ場が多い。
- 屋台のあった頃
明治末期か大正初期頃まではあった。
村の東方の山(通称:片山)に
御旅所があって、屋台を練ってのぼっていたということである。
昭和50年頃までは、片山の西側から境松のあったあたりに斜めに
登る道が残っていたが、いまは木におおわれてうっそうとしてしまっている。
屋台倉は現在精米所となっているところに昭和40年頃まで残っていた。
現在は、屋台の大太鼓と泥台のみが残っている。
屋台蔵跡が老朽化し、危険になったために建て替えられた共同精米所。
高さが低くはなってしまったが、建物自体は屋台蔵時代の面影がある
ように思われる。
- 村芝居の行われていた頃
昭和40年台の半ばまでは、青年団による村芝居も盛んで、
祭りの14,15日には公民館などで夜おそくまで芝居が上演されていた。
当時の大幕が残されており、富士山に大鷹の図柄はすばらしい。
また、当時は近隣の他村でも村芝居が盛んであったらしく、
北原の大幕が貸し出されることも多かったようである。
- 獅子舞の村外での公演
最近では、伝統芸能として、村外での獅子舞を公演することもある。
- 平成3年(1991年)11月3日(日) 糸引小学校百周年記念事業前日祭(芸能発表会)(糸引小学校体育館)
- 平成3年(1991年)11月4日(月) 糸引小学校百周年記念祝賀会(糸引小学校体育館)
- 平成11年(1999年)11月13日(土) ひめじウェルカム21糸引小学校会場(糸引小学校体育館)
- 記念誌、広報誌などへの掲載
- 糸引小学校百周年誌(1992年)
- "村の伝統獅子舞を教え続けて", JAひめじ,
姫路市農業共同組合発行, No.377, p.5, 2000年11月号
- "北原八幡神社の獅子舞", 毎日姫路しんぶん,
コミュニティなだ(妻鹿・白浜・糸引・八木),
平成14(2002)年12月16日発行
- 北原のやっさ大工
北原在住であったやっさ大工として福田瀬次氏が有名である。
彼の手掛けたやっさとしては
などがある。祖母(明治45年北原生まれ)の話によると、当時新調されたやっさは
北原八幡神社にまいってから、車力(しゃりき)などに載せて各村にもって帰って
いたという。すでに北原のやっさはなくなっていたが、他所のやっさが神社前の
馬場で練っていたことはあるようだ。
- 播州の獅子舞に関するリンク集
参考文献
- 兵庫県立姫路西高等学校地歴部:”播州姫路の獅子舞”(1997).
- 飾磨郡教育会編:”兵庫県飾磨郡誌”(昭和2年)[復刻版:名著出版(昭和58年)].
- 神栄越郷編著:”的形郷土史の研究”,湊神社社務所(昭和50年).
- **著:”兵庫県神社誌中巻”,****(昭和**年).
- **著:”兵庫県神社誌附録”,****(昭和**年).
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